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ASAKOのおうち

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ジュニア2③  暗唱への道のり-CTP

サークルで英語を教えることになったとき、フォニックスと同じく是非とも取り入れたいと思ったのが、英語絵本の暗唱でした。でも、レッスンにくる子供たちは家庭環境も英語に対するお母さんたちの考え方も違いました。英語の暗唱は週1回のレッスンだけで取り組むのはかなり難しい取り組みです。必ずおうちでほぼ毎日取り組まなければ暗唱にもってゆくのはかなり難しいことでした。サークルを創めた当初はどのように導いていったら言いかかなり考え、試行錯誤しました。でも半年ほどいろいろ試していくうち、流れがつかめ子供たちも波に乗ってきました。

<レッスンとしての暗唱への道のり>

「第一段階の目的」:音声を聴く習慣をつける

いきなり私が「ハイ、来週までの宿題は絵本の朗読音声を毎日聴いてくること」といってしまえばそれまでですが、それでは子供たちは楽しんで取り組むことはできないでしょう。もちろんお母さん方には、とにかくなるべく毎日音声を聴かせてあげて下さい、とお願いはしておきましたが、子供たちが自発的に「聴きたい!」と欲しなければいくら流れていても頭には残らないだろう、取り組みはじめた時の最年長クラスの子供たちの年齢は7歳になっており、意識的に聴くことも必要だと考えました。
そこで教材として選んだのがCTPの絵本です。CTPは、1つのお話で3種類の朗読がはいっています。絵本によって違うのですが、例えば1回目は普通に朗読、2回目はチャンツ、3回目は一緒にリピートできるように大人が読んだ後に複数の子供の声でリピート・・というようにお楽しみ要素が大きく、これなら英語に余りなれていない子供たちも楽しんで取り組めると思いました。他のバージョンとしては、メロディーがついて歌になっているもの、台詞が補足されてお話が長くなっているもの、などがいろいろと組み合わさって一つの絵本につき3種類の朗読が聴けるようになっているのです。
絵本の内容は、絵もお話も幅が広く、Fun&Fantasy/Social studies/Science seriesに分かれており、レベルも4段階になっています(本当はもっとあるのかな?うちには1~4までしかありません)レベル1といっても単語だけというのではなく、最初からセンテンスになっており、8ページの最後にはオチがあってお話自体楽しめます。目的もlearn to Read、Read to learnとありますので、英語のイントネーションやリズムだけでなく、読解力もつくように作られています。

<サークルでのレッスン>

1回目:レッスン中に初めて音声を聴かせ、本を読み聞かせる。
    その後、歌やチャンツで2・3度も耳にいれる。
    宿題:音声を聴きながら絵本をめくって見てくる。
2回目:復習としてチャンツで絵本を読んだ後、お話をばらばらにして
    順番に並べさせ、順番通りに並んだ挿絵を見て再度チャンツ音読。
    くじ引きのようにして読むページの担当を決め、順に音読。
    次はどこが自分の担当になるかわからないので同じ音読も楽しんで
    やってくれる。
    子供たちも好きな挿絵のページというのがあって、当たりハズレがある
    ようで、くじ引きというのが楽しいらしい。
    宿題:リピートではなく、音声と同時に言えるよう練習
3回目:1列に並んで、1センテンスごとに伝言ゲームのように挿絵と
    ともに口伝えで言わせる。つっかえてしまうところやわかりにくい
    ところは手拍子でリズムをとりながらちょっと変化を与えて音読練習。
    宿題:本を見ないで真似が出来るところはしてみる。
3回目:伝言リレーを何度か練習。3週目ともなるとほとんどつっかえず、
    すらすらと口から出てくるようになる。メトロノームを使い、
    英文を唱える速度をダンダン早くしていく。子供たちはとにかく早く
    言えるようになりたいので一生懸命!!この段階ではもう絵本を
    読んでいるのではなく知らず知らずのうちに暗唱していることになる。
4回目:1冊の絵本の仕上げのレッスン。ある程度基本のフォニックスを理解
    しているクラスなので,今度はセンテンスを1単語ずつカードに書き
    (もちろん挿絵はもうない、英字のみ)ばらばらに床に並べておく。
    子供たちは暗唱してしまっているので、英文を自分たちで唱えながら、
    カードを並び替えてセンテンスを完成させ、絵本1冊分音読して
    終わり。カードを作るとき、クエスチョンマークやピリオドも
    作っておき、のちのちの「書き」の導入にしておく。

最初の1年半はこの流れで進めました。最近では子供たちも手慣れたもので、3週目にしていたレッスンから始めてもなんの抵抗もありません。新しい試みとして
一人ずつの速読を取り入れてみました。

「第二段階の目的」:速読による暗唱の定着
これは私自信が今取り組んでいる右脳学習教材パーフェクトイングリッシュから
ヒントを得ました。

 1. ある程度暗唱ができあがったところで、今度はあえて絵本を見ながら
    音読させる。なんの前触れもなく子供たちに「ハイ!今からタイム
    計るよ。誰がすらすらつっかえずに読めるかな?」と言って
    ストップウォッチを取り出すと、子供たちの目はもうキラキラ!!
    5分間の練習時間を与えて本番。なんの課題も与えずにただ音読して
    いたときと違い、ただただ他の子よりも早く読みたいため懸命に練習。
    遅い子でも16センテンスを1分かからずで読むことが出来る。
    最初から好タイムなのには、仕掛けた私もビックリ!
 宿題:スラスラ早読みの練習。できる子は絵本を見ないでやってごらん?
    今度のレッスンでもう一度タイムを計るから1度目の時とどれだけ
    縮まっているかな?
 2.一番最初に計りたい子からTRY。家でかなり練習してきているのか、
   早い子で20秒を切るタイム。(実は私より断然はやい)
   ほぼ全員20秒台で読める。次は絵本を見ないでやってみる!!という
   子もたくさんいて、やはり20秒代で暗唱できてしまう。
   緊張してタイムが遅い子も2・3度挑戦したい!!とやっているうちに
   なんなく20秒台。いやはや、子供というのは!!本当に羨ましい!!

「第三段階の目的」:穴埋めにより音と綴りを結びつける

完全に暗唱ができたら、子供たちの書けそうな単語を( )抜きしておいて穴埋めができるようプリントを作っておく。今度は音から綴りを結びつける練習だ。
フォニックスを知っていても全部が全部ルール通りではないので、かなり悩んで
取り組んでいるが、それまでに何度となく音読と速読で英文を目にしているのでなかなかの正解率である。わからないものは自分たちで綴りを考えて作り上げている。これもとても大切なこと。わからず悩んで自分で作り出すという作業は一見効率が悪くあまり意味のないことのように思われるが、悩んで考えた分だけ子供たちの頭の中に疑問として残る。この疑問こそが確実な記憶への第一歩だ。悩んだ分だけ正解がわかったときの「ああ!そっか!そうだったんだ」という気持ちが大きく、子供たちの記憶には深く刻まれることになる。

今後はこの( )抜きの部分を増やしてゆき、絵本1冊丸まる書き取ることができるようにするのが最終目的。何年かかるかわからないが、階段を一つ一つじっくり上って行くように指導したいと思っている。


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